住宅建設の現場で瑕疵は誰のせいなのか?【2014年7月号掲載】のあとがき

このコラムで言いたかった事、それは『金額に合わせて無理な仕事をしろと要求しないで。相手は必ず予算に合わせて仕事をしますから』                       

このコラムは韓国の雑誌メディアの為に書いたものですから『韓国の社会蔓延している安全不感症という病』という表現をしましたが、こういう関係(現象?)はあながち韓国だけでの社会現象ではないのではないでしょうか。

エンジニアリングの用語に『フール・プルーフ』『フェイル・セーフ』というものがあります。『フール・プルーフ』というのは『専門知識のない誰もが使えるように』という概念、『フェイル・セーフ』というのは『故障しても安全が確保される』という概念です。この二つの概念が守られない建築物を造れと発注する事自体が無理難題なのであり、あなた自体が社会に対する加害者なのだという事です。

このコラムの掲載時、読者から特に反応が大きかった表現があります。「言い得て妙」「自戒の念と共に今後は肝に銘じる」とメッセージを送ってくれた方もいました。

『現実には存在しもしない坪当たりの工事費という亡靈を追いかけ』

この文章を読んだ皆さんが決してそんな愚かな事をしない様にと願うばかりです。