隠された真実を探す道程 【2014年3月号掲載】のあとがき

洋の東西を問わず、世界中には自分たちが売りたいものを売る為のそれらしい嘘、エセ科学みたいなもの、競争に勝つ為の攻撃的なセールストークが蔓延しています。そしてそのような嘘、エセ科学、攻撃的なセールストークを私たちはいつの間にか信じ込んでいます。このコラムを通じて私は「なす術も無く被害者でなければならないのか? 」と問い掛けました。

実は嘘を識別する為のいい方法があります。自分自身でファクトチェックをする為の最高の手引書、それは、中学校の科学の教科書です。熱伝導率と熱容量、輻射・伝導・対流、気体・液体・個体、浸透圧などについての「真実」がそこには記されています。あなたがもし、教科書に書かれている内容と相容れない説明を業者から受けたなら、それは「嘘」である可能性が大きいんです。

それはそうと、冬は-20℃、夏は40℃という温度を考慮しなければならない国で設計しながら感じたのは『住み心地の重要性』でした。そして『住み心地』には『室内の温度環境の管理』というポイントが直結しています。結局家造りなんて『住みやすい家を適材適所でどうやって造ろうか』っていうのが原点じゃないでしょうか?