お隣さんに恵まれる方法 プラス? マイナス? ゼロ? 【2014年2月号掲載】のあとがき

この「お隣さんに恵まれる方法 プラス? マイナス? ゼロ?」というコラムですが、簡単に言えば「家造りの黄金律」について書いたものです。「何事でも人々からして欲しいと望む事は、人々にもその通りにせよ」が黄金律、「何事でも人々からして欲しくない事は、人々にもするな」が白銀律です。この二つのルールは其々が新約聖書旧約聖書に出てきます。黄金律についてのコラムではありますが、本文中に家造りの黄金律は出て来ません。本文の途中に出て来た「自分たちがしたいことって、当然お隣さんもしたいことだよね?」「自分たちがされたくないことって、お隣さんたちもされたくないことでしょ?」というのは、家造りの黄金律にたどり着くまでのヒントです。

本文中にも書きましたが、韓国では『ゼロ・サム』のルールで設計された建物を沢山見かけます。(日本でも少なからず見かけますが…) 本当にその家一軒「だけ」が建っている状態「だけ」を想像して設計された住宅なんですが、その原因は施主さんだけでなく建築家にもあるんじゃないかと思います。採光、風通しと換気等を考慮した開口部(窓など)の配置とサイズ、形は、隣家が建てられた時を想定して設計をしなければいけません。そんな配慮がなされていない為に「開かずの二階の窓」「開かずのカーテン」「開かずのリビング掃き出し窓」なんてものが生まれてしまいます。

もしかしたら建築家の欲が先走ってしまって、施主さんの要求事項に対する配慮が二の次になってしまっているのかも知れません。今になって思うことなどですが、施主さんの為のアドバイスも大切ですが、建築家や施工業者がこの黄金律、白銀律を肝に銘じることもたいせつなんじゃないかと思います。