IMAGINE 【2014年1月号掲載】のあとがき

あとがきを何故書いているかと云うと…幾つかの理由が有ります。

先ずは外国の読者、外国のメディアの為に書いたコラムですから、その国の現状を想定して書いた文章な訳です。単純に日本語に翻訳された文章だけでは「何のこと?」「意味不明なんだけど」という場合も発生し得ると思います。だから、コラムを書いた背景についての補足説明や弁明等が必要かと思い、あとがきを書くことにしました。

 

この「IMAGINE」というコラムについては補足説明はそれ程必要ではないと思います。それは日本の施主さんも同じ様な雰囲気じゃないかと思うからです。インターネットで検索すれば、世界中の素敵な家の写真や平面図などが出てきます。そんな資料を沢山スクラップして夢を膨らませている人が殆どじゃないかと思います。そんな施主さんたちに言いたいんです。「IMAGINE、想像してみて下さい」と。

今あなたがスクラップしている写真のイメージを組み合わせても「素敵な家」はできません。構造的に一つの構造物にする事さえ不可能な場合が殆どで、たとえ構造的には可能であっても断熱性能が最低水準だったり、あなたが考えている建築予定地の周辺の環境を考えた場合には日常生活に大きな支障があったりとで、それ程役に立たないんです。建築家にしてみれば施主さんの好みやスタイルを把握する事はできますけど。

 

家を考える時に「器」である家の形から考えても上手く行きません。その中で、自分が、自分の家族が何をしたいのか? そこから始めると思ったより簡単なんです。

何はさてより、想像力と構成力だと思います。

 

それから裏話を一つ。このコラムは「IMAGINE」と云うタイトルを先に決めて書きました。雑誌媒体の場合、発刊日から逆算して原稿の締め切り日が指定されます。書く人間もその締め切り日から逆算して原稿を書き始める訳です。1月号の原稿ですからコラムのネタを何にしようかと悩んでいた日にちが、12月8日だったのです。